関空・なんばから好アクセスの堺で、世界の料理人から高い評価を受ける日本の伝統工芸「堺打刃物」を体験。フランス出身の鍛冶職人エリック氏の案内で、鉄を打つ本格体験と職人技の見学が楽しめます。
2025.11.14堺打刃物・鍛冶屋とは
大阪・堺に伝わる伝統的な刃物は、軟鉄と鋼を組み合わせて打ち合わせることで丈夫さと鋭い切れ味を兼ね備えています。鍛造と研ぎの技術は職人に受け継がれ、世界中の料理人から高い評価を得ており、国の「伝統的工芸品」にも指定されています。堺の鍛冶屋は鉄を真っ赤に熱し、火花を散らしながら金槌で何度も叩き、金属を鍛え上げます。その一打ちごとに音が変わり、職人は響きで状態を見極めます。
今回のツアーでは、そんな鍛冶の現場を間近で見学できるだけでなく、実際にハンマーを振り下ろして鉄を思い切り叩く体験も可能。力強い作業の迫力と、伝統技術の奥深さを同時に感じられる特別な機会です。


ツアーの詳細
堺鍛冶職人のエリックさんが、自身の体験を交えながら堺の鍛冶の歴史と魅力を紹介してくれます。炭の選び方や鉄の温度の見極めなどの話に加え、実際にハンマーを手に鉄を叩く鍛冶体験や刃物作り見学も可能です。さらに、包丁選びのポイントや手入れ方法についても簡単に教えてくれます。大人から子どもまで楽しめる、体験と学びの場です。


▪料金:1時間22,000円(税込)~/団体料金
▪人数:1名~20名
▪時間:約60分~約90分
▪内容:
・鍛冶体験+見学(体験:2名まで)
(例)4〜7名で体験:約2時間/44,000円(税込)
・見学のみ:最大20名
▪申込受付:1か月前まで
※英語・フランス語・日本語でのご案内が可能です(通訳不要)。
フランス出身の鍛治職人エリック・シュヴァリエ
フランス出身のエリックさんは、日本の言葉や文化に魅了され、2012年に来日。堺の鋏鍛冶「佐助」で修行を積み、伝統技術を学びました。その功績が評価され2015年にフランス政府から「希望の星」賞を受賞。
約5年の修行を経て堺市産業振興センターの海外販路開拓コーディネーターに就任し、現在は「堺伝匠館」を拠点に観光客への案内や講演活動、海外でのPR事業に携わっています。堺打刃物の魅力を世界へ伝える架け橋として活躍中です。

ツアーを覗いてみよう!
見学ツアーの様子をご紹介します。ツアーの流れは、以下の通りです。
火づくりから一連の準備 ⇒ 鍛冶体験/刃物作り見学
ここからは、見学ツアーの様子をご紹介します。
鍛冶の第一歩は火起こしから。煙やにおいが少ない備長炭に、風通しの良いオガ炭を組み合わせて炎を操ります。火の勢いを調整しやすくするため、オガ炭は中が空洞のものを使用しております。

さあ、それでは火をつけましょう。炭に炎が移ると、パチパチと音を立てながら赤く燃え上がり、鍛冶の世界の幕開けを告げます。

現在ではガスで炭を加熱するのが主流ですが、ここではエリックさんが自作した道具を使い、昔ながらの製法と同じく、手動で風を送ります。左の装置から右の炉へ風を送り込み、炭の温度を少しずつ高めて火を起こしていくのです。


炭は少しずつ色を変えながら温度を上げ、やがて赤々と輝き始めました。その変化を間近で見ていると、職人ならではの工夫に思わず見入ってしまいます。
ある程度温度が上がったところで、いよいよ鉄を入れます。見た目以上に炉の中は高温で、なんと800度を超えることもあるそうです。

ついにハンマーを手に取り、鉄を叩いてみます。真っ赤に熱せられた鉄に打ち下ろすと「ガンッ!」と響き、少しずつ形が延びていきます。重みと熱気を全身で感じながら、職人の世界を体感できる瞬間です。

鍛冶体験しましょう
今回の体験では、鉄でできたキーホルダー作りに挑戦します。叩いたりねじったりしながら、自分だけのオリジナル作品を完成させていきます。
さあ、作業のスタートです。まずはエリックさんの指導のもと、火を起こすところから始めましょう。


エリックさんは一緒に火の状態を確認してくれます。また、火を起こしている間には、鉄にまつわることわざや日本語の豆知識も教えてくれました。まるで日本人以上に日本語に詳しくて、そのユーモアに思わず笑ってしまう場面も。体験だけでなく会話も楽しく、あっという間に時間が過ぎていきます。
実際にハンマーを手に取り、鉄をカーン!と一打ち。「え、こんなに簡単なの?」と驚きながら、気分はすっかり職人。鉄はあっという間に冷えて固まるため、一打一打が真剣勝負!まさに「鉄は熱いうちに打て」を体で感じる瞬間です。

ハンマーで何度か叩いて細かい調整をしていくと、少しずつ形が整っていきます。思った以上にスムーズに仕上がり、達成感とともに作品が完成しました。

最後は油をなじませて完成!塗った直後に黒くなることもありますが、鉄粉や酸化皮膜による自然な現象で害はありません。油膜が落ち着けば艶やかに仕上がり、そのままお持ち帰りいただけます。

施設見学
江戸末期に建てられた堺打刃物商店をリノベーションした建物の奥には、宿泊者だけが楽しめる一棟貸切の特別な宿があります。

庭のデザインの工夫や、そこに育つ植物の魅力についても、エリックさんが楽しく案内してくれます。


鍛冶の体験だけでなく、堺の歴史に触れたり、施設全体をじっくり見学したりもできます。海外からのお客様にも人気で、気軽に楽しめる内容です。日本語・英語・フランス語を自在に操るエリックさんが案内してくれるので、安心して参加できます。

問い合わせ方法
1.下記フォームから、必要事項を記入し、お問合せください。
2.3営業日以内に "industrial.tourism@nankai.co.jp"からご連絡させていただきます。
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