和歌山県は梅の生産量が全国一位を誇る一大産地です。酸っぱい味わいで日本人にはなじみの深い「梅干し」だけではなく、現在は梅酒やスイーツなど幅広く活用されています。本記事では、その起源、風味、楽しみ方などをご紹介します。
2025.12.16起源と持続可能な栽培システム
和歌山県の中でも、和歌山県中部・南部は梅の生産が多く行われています。梅栽培をけん引する、みなべ町や田辺市もそのエリアに該当します。
しかし、今から400年前の江戸時代初期、この地は土壌の恵まれた土地ではありませんでした。そこで、当時の領主は稲作には向いていないこの地でも育つ梅の栽培を推奨したことが一大産地を形成する始まりとなりました。
梅の木のある山の斜面には、元々あったウバメガシなどの薪炭林を残し、山崩れの防止と水の確保につなげています。さらに同林に住む二ホンミツバチに梅の受粉を手伝ってもらうという自然サイクルを活用した栽培システムは、世界農業遺産に認定されています。

南部梅林(出典:和歌山観光連盟)
最高品種「南高梅」
和歌山を代表する特産品である「南高梅」。肉厚な果肉と、柔らかさが特徴です。柔らかさの秘訣は、木の下にネットを張り、梅が熟し自然に落ちてくるものをそっと受け止める収穫方法にあります。
南高梅は用途に応じた熟度で収穫することで、色々な食品に生まれ変わります。
例えば完熟前の青い梅は梅酒、梅シロップ、梅ピクルスなどに、完熟した梅はや梅干し、梅ジャムなどに使われます。

梅干(出典:和歌山観光連盟)
芳醇な味わい"梅酒"
老若男女問わず親しまれる梅酒について、和歌山では梅酒の原料に青梅と完熟梅の両方を用いますが、特に手摘みの完熟梅はフルーティーな味わいが深いとされています。
梅酒の種類は様々ですが、梅、糖類及び酒類のみを原料とした梅酒は「本格梅酒」、本格梅酒のうち既定の生産基準をクリアし品質が保証されているとして専門的な委員会の審査により認められた梅酒は「GI和歌山梅酒」に認定されています。
本格梅酒
梅、糖類及び酒類のみを原料とし、酸味料、着色料、香料を使用していない梅酒のこと
GI和歌山梅酒
以下を一例とするような生産基準をクリアし品質が保証されているとして専門的な委員会の審査で認められた梅酒のこと
・アルコールは10.0%以上35.0%未満であること
・酒類及び梅の実以外の原料は、梅の果肉、梅の果汁、糖類、含糖質物及び炭酸であること
・梅の実は浸漬する酒類1KL当たり300kg以上使用すること
・梅の実の酒類への浸漬、酒造工程時の貯蔵、容器への詰込は和歌山県内で行うこと など
成分と食の楽しみ方
梅には、疲労回復物質といわれる「クエン酸」や活性酸素の酸化反応を抑制するといわれるポリフェノール類が含まれています。その効果から、日本では古来より食用の他、薬としても珍重されてきました。
例えば、梅を塩漬けして作る梅干しは常温保存が可能で、食中毒予防や疲労回復などに良いとされてきました。
近年では、梅干しで熱中症を予防するための塩分を手軽に摂取できると話題になっています。
梅の魅力を一通りご紹介したところで、次は"体験"へ。
梅を使った商品をいくつかご紹介いたします。

和歌山Jewel Box(冬季限定販売。梅を使用したチョコレートが数種類含まれています。)

熊野レッドと熊野アンバー(南高梅を使った梅酒で熊野観光開発オリジナル商品)

まだまだ魅力的な商品が沢山あります!もっと知りたい方はぜひ「熊野のドライブイン」へお越しください。オンラインショップでも各商品をご覧いただけます。
-
2025.12.09
-
2025.12.08
-
2025.12.09
-
2025.12.08