巡礼の道、熊野古道。神々が宿る熊野に続くこの道は、日本人のみならず海外の方からも人気です。その魅力を少しだけ覗いてみましょう!
2025.10.17熊野古道とは
熊野古道とは、都のあった京都をはじめ、吉野(奈良県)、高野山(和歌山県)、伊勢(三重県)の各地から紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)に向かう参詣道を総称した呼び名です。
大自然に囲まれた熊野は、古くから神々が住まう聖地として崇められ、熊野へ詣でることで来世の幸せを神々に託すという信仰が生まれました。そのため、上皇や貴族、武士や庶民に至るまで身分や老若男女問わず、多くの人々が厳しい道のりを越え熊野を目指しました。そのあまりに多くの参詣者が列をなす様子は「蟻の熊野詣」と表現されたほどでした。
2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され、今でも国内外から多くの観光客が訪れています。
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「熊野古道中辺路 とがの木茶屋」 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟
熊野古道の主要ルート
熊野古道には、いくつかの主要ルートが存在します。以下にその中でも有名な3つのルートを紹介します。
- 中辺路(なかへち):田辺から熊野三山をめぐる道。
- 大辺路(おおへち):田辺から海岸沿いに、那智勝浦へ向かう道。
- 小辺路(こへち):高野山と熊野本宮を最短距離で結ぶ険しい山岳道。

「熊野古道中辺路 牛馬童子像」 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

「熊野古道大辺路 長井坂」 写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

「熊野古道小辺路 果無集落」 写真提供:熊野本宮観光協会
熊野古道とサンティアゴ巡礼路
世界的に有名な参詣道といえば、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
和歌山県田辺市とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ市では、2015年から「共通巡礼」を行っています。これは、それぞれの道の定められた区間を巡った人を「共通巡礼」の達成者として認定するものです。
2024年の達成者は過去最多の3272名となり、2025年はそれを上回るペースで増加し2025年4月時点では1万人に達しました。この機会に、ぜひ巡礼の旅に出かけてみませんか?